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目的

近年、長寿高齢化に伴い誤嚥性肺炎で亡くなる方が増え「摂食嚥下障害」が広く理解されるようになってきました。日本の医療政策も「食べることでのQOLの向上と不必要な医療費削減」を医療現場に求めています。そこで、当院でも厚生労働省の求める医療体制に即した「摂食嚥下支援チーム」を設立しました。多職種それぞれの専門性を十分に発揮し摂食嚥下支援チームが診療することで、摂食嚥下機能の回復や誤嚥性肺炎や窒息等のリスクを抑えた食事支援を行い「食べることを諦めない医療を実践する愛誠病院」を選んで頂く意味をご提案いたします。

メンバー構成と役割

●医師(Dr)
 VE嚥下内視鏡検査を担当
 主治医と摂食嚥下支援チームの調整仲介
 対象患者様の病状の把握
 摂食嚥下機能の評価
 摂食嚥下支援計画の提案
 摂食機能療法実施指示

●摂食嚥下専任看護師(Ns)
 病棟での生活状況について指導・評価
 病棟での摂食方法について指導・評価
 病棟の看護師への摂食嚥下療法の指導
 
●薬剤師(Ph)
 覚醒や排痰への薬剤の影響を管理調節
 食事状態に応じて薬剤や投与時間を調節
 最適な薬剤を主治医へ提案
   
●管理栄養士(Rd)
 摂食状況の確認
 栄養状態の評価・指導
 摂食嚥下機能に応じた食形態や栄養管理の提案

●言語聴覚士(ST)
 VE検査に同席しDrに協力し摂食嚥下機能の評価を担当
 摂食嚥下機能に即して適切な食事形態を評価・指導
 摂食嚥下障害に対して負荷量を考慮した嚥下訓練
 VE検査・嚥下訓練による摂食嚥下機能の経時的な評価

     
 

活動内容

・毎月VE嚥下内視鏡検査を実施しています
・毎週「摂食嚥下カンファレンス」を開催し、患者様の情報を共有しています
・愛誠病院全体に「摂食嚥下医療」が浸透するよう勉強会や現場指導を行っています
・臨床現場で対応するスタッフに対しスキルアップに繋がるよう適切な情報を発信しています
・愛誠病院全体の「摂食嚥下医療」が円滑に進むよう、運営管理・調整を行っています

VE嚥下内視鏡検査

摂食嚥下機能を評価する主な方法として「内視鏡下嚥下機能検査(VE)」と「嚥下造影検査」が挙げられます。当院では摂食嚥下機能評価の為に、新たに細径で軟性の耳鼻咽喉ファイバースコープを導入しました。この検査は放射線被曝が無く、ベッドサイドで行うことができ、侵襲性の低い鼻腔ファイバー内視鏡ですので患者様の負担を軽減できます。細いファイバー内視鏡を鼻腔からのどに挿入し、のど内部の状態の確認と飲食物を正常に飲み込めているかを調べます。この検査では、とろみがついた水やゼリーなどを実際に飲み込み、食道に送り込めるか評価できます。特に高齢者や病気で病院に入院した方は摂食嚥下機能が低下しやすく、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。誤嚥性肺炎は再発することも多く、命に関わることがある重大な病気です。口から飲食物を摂取することは腸内細菌が司る免疫力にも直接影響するので寿命やQOLの向上に重要な要因です。
   
   
 

実績